Shopify Editions Spring 26 Sidekick(全9項目)

Shopify Editions Spring ’26 Sidekick(全9項目)

CATEGORY 02 / Sidekick

Sidekick は、Shopify 管理画面に最初から組み込まれている AI アシスタントです。今回の Editions では、その Sidekick もまた進化したようです。純粋に Sidekick の性能が向上し、より正確に回答やタスクを実行してくれるようになりました。さらにマルチタスクや顧客の作成などもこなし、対応済みのアプリについては、Sidekick がアプリの操作まで行ってくれるようになっています。本記事では全9項目を、重要度バッジと出典つきで一つずつ見ていきます。実際に検証ストアで触って確かめた項目には、その様子も添えています(※ストア固有の数値・名称は伏せています)。

重要度バッジの見方
S = 今回の中心テーマ / A = 多くの事業者に実務影響 / B = 対象業務・地域に応じて確認

全9項目 / 開いて詳細を表示
S
Sidekickがアプリと連携開発者プレビュー・招待制

Klaviyo・Judge.me・Smile・Loop 等のアプリについて質問に答え、アプリ内アクションまで実行。

+
正式名称:Sidekick app extensions(サイドキック・アプリ拡張機能)出典 ↗開発者ドキュメント ↗

これまでの Sidekick は、基本的に Shopify 純正の機能(商品・注文・分析など)しか操作・回答できませんでした。「Klaviyo のメール成績は?」と聞いても、Klaviyo は他社アプリなので答えられなかったのです。今回、他社アプリが Sidekick に“つながる”仕組み(Sidekick app extensions)ができ、Sidekick が一段と“ハブ”らしくなりました。

Sidekickがアプリと連携する仕組み。質問や操作をApp Extensions(拡張機能)経由で他社アプリに渡し、回答・操作結果が返る関係図
何ができるようになるか(2種類)
  • データ連携(質問に答える):Sidekick がアプリのデータを検索して回答。例「成績の良かったメール件名は?」→ Klaviyo のデータを検索して返答。
  • アクション連携(操作を実行):アプリ内の正しい画面へ誘導、または専用UIをその場に表示して操作。例「このメールを編集して」→ 該当キャンペーンの編集画面に直行。
対応アプリ(公式掲載・一部)

マーケティング:Klaviyo / TikTok / Seguno / Mailchimp / 顧客管理:Loop Returns / AfterShip / Judge.me / Smile / Yotpo / プロモーション:Abra / Discount Kit / 商品・運用:Printful / Syncee / Matrixify / Avia。
→ 最新の対応アプリ一覧は 公式ストーリー(Sidekick と連携するアプリ) で確認できます。

仕組み(根本から)

アプリ開発者は、自分のアプリに Sidekick 拡張機能 を追加し、Sidekick から呼び出せる「ツール」を定義します。ツールには データの取得(例:「成績の良かったメール件名は?」に Klaviyo のデータで回答)と、操作の実行(例:レビューに返信する/商品レビューを作成する)の両方があり、それぞれに「何をするツールか・どんな入力を取るか」の説明文を書きます。

仕組みの肝はルーティング(振り分け)です。ユーザーはアプリ名を指定する必要がありません。各アプリが登録した「拡張機能の要約(extensions summary)」と各機能の説明を Sidekick が読み取り、「この質問・操作はどのアプリに任せるべきか」を自動で判断して取り次ぎます。Sidekick が“受付(オーケストレーター)”となり、裏側で適切なアプリへ橋渡しするイメージです。

実行時、ツールは Shopify のサンドボックス(隔離された安全な実行環境)で、そのアプリと同じ権限で動きます。技術的には MCP(Model Context Protocol/AIにツールを提供する標準規格)に似た方式ですが Shopify 独自で、既存の MCP サーバーをそのまま流用はできない、とされています。

アプリ開発者がやること(この機能に対応するには)
  1. アプリに Sidekick 拡張機能を追加する。
  2. ツールを定義する:データ取得/操作それぞれに、用途と入力を説明する記述(description)を書く。
  3. 拡張機能の要約(extensions summary・256トークン以内)を書く ― これが Sidekick のルーティング判断の大元。各機能の description も振り分けに使われる。
  4. ツールは Shopify サンドボックスで、アプリの認証・権限のもとに実行されるよう実装する。

制約:1アプリあたり インテント5・ツール20まで。応答時間の目安はデータ取得=約1秒/操作=約3秒。詳細は 開発者ドキュメント を参照。

提供条件に注意:現在は開発者プレビュー(招待制)です。全アプリ・全マーチャントが今すぐ使えるわけではなく、恩恵を受けられるかは各アプリベンダーが拡張機能を作って公開するかにかかっています。

ひとこと所感

「20個のアプリにそれぞれ別ダッシュボード」という分断が、会話ひとつに集約されていく方向です。裏を返すと、拡張機能を作らないアプリは、マーチャントの日常導線から見えにくくなるかもしれません。Sidekick が“アプリ群の操作ハブ”になっていく——その入口に位置する、今回いちばん戦略的な項目だと感じます。

A
Sidekickによる実践的なガイダンス

管理画面を開くたびに、集客・コンバージョン率(CVR)向上・リピート促進のヒントを表示。

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正式名称:ホームカード(Home cards)/毎日のインサイト(Daily insights)出典 ↗

本記事では便宜上、Sidekick 本体を「こちらから質問する(プル型)」、こちらを「Shopify の方から提案してくる(プッシュ型)」と整理します(プル/プッシュは出典の用語ではなく、理解のための呼び分けです)。実体は管理画面ホームに並ぶ「ホームカード」で、ストアのアクティビティに応じて中身が変わります。なおホーム画面上では、Sidekick 本体への質問とこのホームカードが同居しています。

プル型(こちらから質問する)とプッシュ型(毎日のインサイトなどShopifyから提案が届く)の対比図
何が表示されるか
  • 新機能に関する更新情報
  • Shopify を活用するためのアドバイス
  • 推奨タスクのガイド(売上向上・CVR改善などのヒント)
  • 毎日のインサイト=自店データを毎日分析して気づきを自動提示(今回の目玉)。大きく3タイプ(前期間との比較/続いているトレンド/売れ筋の変化)に分かれます。
マーチャント側でできること

不要なホームカードは非表示にできます(ただし注文タスクを含むカードは消せません)。非表示にする際にフィードバックを送ると、提案精度の改善に使われます。“受け取るだけ”でなく出し分けを調整できる点も押さえておきたいところです。

表示の条件(最重要)

「毎日のインサイト」は 過去6か月で週平均10件以上の注文があるストアにだけ毎日生成されます。1日最大3つ、24時間で期限切れ。週平均10注文を下回るストアには生成されません——つまり新規・小規模ストアは恩恵を受けにくい点に注意が必要です。

実際に確かめたところ

十分な注文があるストアのホームを実機で確認したところ、ホーム下部に「あるチャネルの売上が前月比で大きく増加。要因を特定しましょう」というグラフ付きカードが実在しました。折れ線グラフと「レポートを表示」ボタンが付き、規模の条件を満たすストアでのみ表示される——という仕様が画面でも裏付けられました。

ひとこと所感

AIの関わり方が「プル→プッシュ」へ移ったのが大きな変化です。ただし提案は汎用的で、自社文脈での打ち手の優先順位づけは結局マーチャント/伴走者の判断が必要。AI提案を鵜呑みにしない、が落とし所だと感じます。また「誰でも使える」わけではない(週10注文の壁)ことは、注意する必要があります。

B
Apple WatchでSidekickを利用

Apple Watch から売上・未発送数などを音声で質問できる(確認系の質問専用)。

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iPhone の Shopify アプリに連動する Apple Watch アプリから、Sidekick に音声で質問して店の状況をすぐ確認できます。回答は音声で読み上げられ、ウォッチ画面にテキストのサマリーが表示されます。質問例は「未発送の注文はいくつ?」「今日の販売合計は?」「在庫の少ない商品は?」「返品はいくつ?」など。なお Apple Watch アプリ自体は、文字盤のコンプリケーションやホームビューで販売・注文・セッションを“質問せずに”常時確認でき、Sidekick はそこに“音声で聞ける”レイヤーを足すものです。

Apple WatchでのSidekick。音声で確認系の質問ができる一方、変更操作はできない読み取り専用であることを示す図

確認専用です:商品の編集や設定変更などストアへの変更、管理画面への遷移、コンテンツやアプリの生成、画面共有・メッセージの入力はできません。PC/スマホ版が「操作も実行できる実務AI」なのに対し、Watch 版は読み取り専用のダッシュボードと捉えると正確です。

ひとこと所感

価値は「手を止めずに数秒で確認できる」体験差に尽きます。梱包中・接客中など手が塞がる現場でのチラ見に向く一方、iPhone+Apple Watch という前提が必要で、訴求できる層は限られます。重要度は「あれば便利」レイヤーと見ています。

B
Sidekickからの追加質問

曖昧な指示には、複数の選択肢を提示して内容をすばやく明確化。

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(この挙動は出典ヘルプに直接の記載がなく、Editions 2026春の発表と検証ストアでの実機確認に基づきます。)情報の足りない曖昧な指示を出したとき、Sidekick が勝手に推測して実行せず、不足している条件を選択肢(ボタン)+自由記述で聞き返してくれる機能です。「AIが空気を読んで暴走する」のではなく「分岐点で人間に確認を取る」設計です。

「割引を作って」という曖昧な指示に対し、Sidekickが推測で実行せず選択肢5つで聞き返す分岐図
実際に確かめたところ

検証ストアで「割引を作って」とだけ送ると、Sidekick は実行せず「どのような割引を作成しますか?」と聞き返し、割引率(%オフ)/固定金額割引/送料無料/Buy X Get Y(X個買うとY個無料などの購入特典)/その他(自由記述)という選択肢を提示しました。クリックで選べるうえ、定型外の要望は「その他」で書ける。さらに「対象は注文全体か特定商品か」と多段で確認してくる様子も見られました。

ひとこと所感

AIに作業を任せる最大の不安「意図と違うものを勝手に作られる」を下げてくれる、地味だけど効く安全弁です。割引・商品・メールなど“設定項目が多いタスク”ほど効きます。一方で「何をしたいか」の言語化は結局人間側に残ります。

A
Sidekickでマルチタスクを実行

ウィンドウを閉じても、重い処理はバックグラウンドで継続(完了後に結果を確認できる)。

+
正式名称:Sidekick のバックグラウンド処理/マルチタスク出典 ↗発表ページ ↗

時間のかかるタスク(データ分析・大量商品の処理・レポート生成など)を頼んだとき、チャットやウィンドウを閉じて他の作業に移っても、処理はバックグラウンドで走り続ける機能です。発表ページには「新しいタスクを開始したり、複数のチャットを同時に行ったり、ウィンドウを閉じたりしても、Sidekick はバックグラウンドで引き続き作業を行う」と明記されています。また出典ヘルプには「(時間のかかるタスクは)レビューの準備ができると通知します」とあります(※今回の検証では成果物はチャット内に表示され、別途のベル/トースト通知は処理が短時間だったため未確認です)。

重い処理はウィンドウを閉じてもバックグラウンドで継続し、複数の会話が並行で走るタイムライン図
実際に確かめたところ

検証ストアで「全商品の改善案を作って」と重い処理を走らせ、処理中にチャットを閉じて約30秒後に再び開いたところ、処理は止まっておらず「1ステップ完了→カテゴリ分類→改善案生成中」と前進していました。さらに、注文分析・顧客分析・コレクション分析を別々の会話で立て続けに投入すると、1つを処理中の裏で他の会話が独立して完走——複数会話の並行処理も確認できました。

ひとこと所感

これまでの会話型AIは「開いている間だけ動く」前提でした。閉じても走り続ける=非同期で仕事を任せられるようになった、という点でパラダイムが一つ進んだ印象です。全商品分析・一括レビューなど“待ち時間の長い処理”が多いEC運営では、生産性に直結します。恩恵は注文・商品が多い中〜大規模ストアほど大きく出ます。

B
Sidekickで生成したアプリの編集機能の改善上位プラン・デスクトップ限定

コード編集・プレビュー・バージョン履歴に対応。

+

Sidekick に「〇〇するアプリを作って」と頼むと、管理画面内で動く小さな管理ツールを自動生成できます。たとえば「販売速度から再注文すべき商品を推奨するアプリ」「割引チェックアウトリンクと QR コードを生成するアプリ」「チーム用のタスク管理ツール」など、社内業務向けのツールが作れます。今回はその編集機能(コード編集・プレビュー・バージョン履歴)の改善が論点。生成しっぱなしではなく、コードを直接編集・保存し、プレビューで構成要素ごとに直し、前のバージョンに戻せるようになりました。

Sidekickで生成したアプリのエディタ。コード・プレビュー・バージョン履歴を切り替えて編集できる図
実際に確かめたところ

Growプラン以上の検証ストアで「タスク管理アプリを作って」と依頼すると、コードが生成され、アプリエディタで「コード/プレビュー」タブを切り替えながら確認・調整できました。特に編集の自由度が大きく増しています。プレビュー画面では、ボタン・タイトル・表示枠といった構成要素を指定して「ここをこう直して」と具体的な修正指示を細かく出せます。さらにコードビューでは、生成されたコードを実際に編集・保存できます——従来はプレビューを見るだけだったことを思えば、これは大きな前進です。バージョンは編集するたびに更新され、プルダウンから過去のバージョン一覧を確認できました(以前の版に戻すこともできます)。デスクトップ/モバイル表示の切り替えにも対応。なお、ストアのデータ構造を変える操作には承認モーダルが出て、承認しない限りストアは変更されません。(ただしこの承認チェックは開発中のみの表示で、インストール済みアプリには出ません。生成アプリは顧客向けデータを変える可能性があるため、インストール前のテストは利用者側の責任、と出典は注意喚起しています。)

提供条件に注意:アプリ生成は Grow/Advanced/Shopify Plus プランかつデスクトップの管理画面のみ。下位プラン(Basic 等)やモバイルは対象外です。なお生成回数には1時間ごと・1週間ごとの上限があり、複雑なアプリほど枠を多く消費します。

ひとこと所感

エンジニア無しで現場の小さな不便を自作できるのは大きい一方、対象プランが限られます。「誰でも使える」ではなく「上位プラン向けの強力なオプション」と位置づけるのが正確です。

B
Shopifyアプリのあらゆる画面でSidekickを利用可能

スマホのどの画面からでも、テキスト/音声で状況に応じたサポート。

+

Shopify モバイルアプリで、ストア内のどの画面に移動しても Sidekick が呼び出せ、いま開いている画面を踏まえて答えてくれる機能です。テキストでも音声でも質問でき、注文・分析・商品など、どのページに移動しても画面上に表示されたまま(常駐)になります(この常駐はスマホアプリの挙動です。PC版は移動するかアイコンで呼び出す形)。ただし画面上にダイアログ(ポップアップ)が開いているときは呼び出せません。対応は iPhone/Android で、タブレットは非対応です。

スマホのあらゆる画面でSidekickが常駐し、いま開いているページを文脈にして答える図
実際に確かめたところ

Shopify スマホアプリで実際に試しました。iPhone では、ブログ記事・商品管理・オンラインストアなど、さまざまな画面の下部に Sidekick の入力欄が常駐し、どの画面からでもテキスト・音声で話しかけられます。チャット履歴もその場で呼び出せ、テーマ編集の画面では選択中の要素(例:見出しテキスト)を文脈として認識して指示できました。
ただしOS によって挙動が異なりますAndroid では Sidekick が(常駐する小さな入力欄ではなく)全画面で開き、さらにテーマエディタ画面では表示されませんでした。同じスマホアプリでも iPhone と Android で見え方・対応画面が違う点は、案内時に押さえておきたいところです。なお、当然のことながら、PC の管理画面でも、現在開いているページを文脈にして答えてくれます。

iPhoneとAndroidでのSidekickの挙動の違い
▲ 補足:iPhone は各画面に常駐/Android は全画面で開き、テーマエディタでは非表示
ひとこと所感

PC前に座っていなくても、店頭・倉庫・外出先でスマホから聞ける——移動中・現場でAIが使えるのが肝です。ページ文脈の自動利用で、操作に迷ったときその場で聞ける点も、不慣れな担当者の学習コストを下げます。

A
Sidekickが顧客を作成(フォーム自動入力)

シンプルな言葉で説明するだけで、フォームを自動入力。

+

新規顧客の作成フォームを、自然な言葉で伝えるだけで Sidekick が自動入力します。入力されたフィールドは紫色でハイライトされ、Sidekick が追加した内容を識別できます(出典の記載)。

自然な言葉の指示から顧客フォームが自動入力され、入力箇所が紫色でハイライトされる図
実際に確かめたところ

検証ストアの新規顧客フォームで、架空のダミー顧客の情報を一文で伝えると、氏名・メール・電話・住所が一気に自動入力され、各フィールドが紫色でハイライトされました。しかも電話番号は国際形式に整形、住所は都道府県・市区に分解と、単なるコピペでなく構造化してくれます。入力後は「未保存」状態で止まり、保存するまでストアには登録されませんでした。

顧客以外の情報も登録可能

この「言葉でフォームを自動入力」は顧客作成だけの機能ではありません。商品・ディスカウント・コレクションの作成・編集や、B2Bストアでの新しい会社の登録など、各種の作成フォームでも同じように使えます(出典に記載)。「顧客作成」はその代表例として捉えるとよいでしょう。なお、この機能でできるのは「作成」が中心で、商品・ディスカウント・コレクションは編集も可能です。削除は対象外です(出典に記載なし)。

ひとこと所感

電話・名刺交換・イベント後の一括登録など、手入力が多い現場で効きます。フォーマットの揺れを防いでくれるのも実務的。紫ハイライトで「AIが何を入れたか」が一目で分かり、保存前に必ず人が確認できる作りは安心感があります。

B
Sidekickを使ったオートメーションテスト

Shopify Flow のテストイベントを自動生成し、ロジックを検証。

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Shopify Flow(注文・在庫・顧客などのトリガー→条件→アクションを自動化する仕組み)のワークフローを有効化する前に、ロジックが正しいか検証する機能です。従来は既存のデータを参照してくれるものの、そのパターンが存在しないとテストできませんでしたが、Sidekick がストアの既存データを使ってテストイベントを自動生成してくれます。

Shopify Flowのテストイベント(条件を満たす/満たさない)を自動生成し、True/Falseのパスを検証する図
実際に確かめたところ

「注文額が一定以上なら割引コードを発行する」ワークフローで「イベントを生成」を押すと、条件を満たす場合と満たさない場合の2つのテストイベントが、ストアに実在する商品・コレクションなどのデータをもとに自動生成されました(高額・低額の2つの注文イベントとして提示)。生成イベントを選ぶと、フロー図上で通過するロジックのパス(True/False)がハイライトされ、どちらに分岐するか視覚的に確認できます。テストはシミュレーションのため、実際のストアには影響しません。なお Sidekick の役割は「テストイベントの自動生成」で、生成したイベントを選んでパスがハイライトされる検証画面自体は、従来からある Flow のテストモードの機能です(出典の例は「注文作成」トリガー。他トリガーでの挙動は要確認)。

テストイベントの入手は3通り

検証用のテストイベントは、次の3通りで用意できます。ワークフローのテスト機能そのものは2025年12月に登場しており(changelog ↗)、当初から既存のイベントを選んでロジックを検証できました。③の Sidekick による2パターン自動生成は2026年5月の追加changelog ↗)で、これが今回の新機能です。

  1. ① 記録(Record events):ストアで実際に起きるライブイベントをリアルタイムに監視・キャプチャ。例:「注文作成」トリガーなら、実際に注文を作るとそのイベントが記録される。本物のリアルタイムデータを使いたいとき向け。
  2. ② 作成(Create event):既存のストアデータを使って手動でシミュレーションイベントを作る。例:既存の注文を選んで「注文作成」のテストデータにする(実際に再作成はしない)。各フィールドを自分で選択・入力できる。
  3. ③ 生成(Generate events)=今回の Sidekick:Sidekick が既存データを元に、条件を満たす/満たさない2つのテストイベントを自動生成。手動設定が不要で、生成後に編集・削除もできる。

この③の自動生成により、「条件を満たす/満たさない両パターンを自分で用意する」手間がなくなりました。

ひとこと所感

自動化の最大の不安は「本番で意図しない動作をすること」。有効化前に両ケースをワンクリックで試せるのは、Flow を安心して組むうえで地味に効きます。Flow を多用する運用や、複雑なフローを設計・納品する場面で価値が出ます。

SUMMARY / まとめ
Sidekick は、「自分でできること」の範囲を広げる

9項目を通して見えるのは、個々の便利機能というより 「操作を覚える」から「やりたいことを言う」へ という入口の転換です。顧客作成・割引作成・アプリ生成・分析・Flowテスト——すべてが「話しかける」一つの入口に集約され、結果として習熟コストが下がり、操作できる人の幅が広がります。ベテラン依存だった作業を、不慣れな担当でも回せるようになる。これは運用の属人化を崩す変化です。

「これ、APIでもできるのでは?」という視点
顧客作成や分析などの単発操作は、Shopify の Admin API でも実行できます。違いは「誰が・どこで・どう使うか」。Sidekick はマーチャント本人が管理画面の中で使う対話アシスタントで、覚えなくてよくするのが価値。一方、バルク更新・外部システム連携・再現性ある自動化は API(開発者・運用支援者)の領域で、Sidekick では届きません。両者は競合ではなく棲み分けです。だからこそ、伴走パートナーの価値は「単純作業の代行」から「Sidekick では届かない領域(一括自動化・外部連携・設計・統制)」へと移っていく——そんな構図が読み取れます。

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※ 各項目の提供条件(「招待制」「上位プラン限定」「対応デバイス」等)は変動します。最新の対応状況は各出典をご確認ください。本記事の実機確認は検証用ストアで行い、ストア固有の数値・名称は伏せています。
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