Sidekickにステップメールをおまかせで作らせる|Flow作成からメール本文までの実装例とプロンプト

Sidekickにステップメールをおまかせで作らせる|Flow作成からメール本文までの実装例とプロンプト

新しくメール購読してくれたお客様に、数日おきに数通のメールを自動で届ける「ステップメール」。Shopify では Shopify Flow(いつ・誰に送るか)と Shopify Messaging(メールの中身)を組み合わせて作ります。この記事では、管理画面の AI アシスタント Sidekick に、ワークフローの作成からメール本文の入力までをおまかせで進めてもらった実装例を、使ったプロンプトと画面つきで紹介します。

検証はデモストアで行い、ワークフローは有効化しておらず、メールも送信していません。図版のストア名・商品はすべてサンプルです。

先に結論
・Flow のワークフロー作成は、ひと言の依頼でほぼ完成します。トリガー・待ち時間・送る前の条件まで Sidekick が組んでくれました。
・メール本文は「一気に全部」とはいかず、短いやり取りを何往復か重ねる形になります。「入れて」「追加して」「入力して」「はい」と返していくと、件名から本文・ボタンまで埋まっていきます。
・人の手が必要なのは、送信ステップへのテンプレート設定と、最後の確認・有効化だけでした。

今回作るもの

「メールマーケティングの受け取りに同意した人」に、次の3通を届けるウェルカムシリーズです。割引は付けず、商品を知ってもらうことを目的にしました。

通 送るタイミング 送る前の確認
1通目 同意した直後 まだ注文していない/購読中
2通目 2日後 同上(送る直前に再確認)
3通目 さらに3日後 同上(送る直前に再確認)
3通のウェルカムシリーズの完成イメージ(サンプルストア)

送る直前に条件を確認しておくことで、途中で購入した人や購読をやめた人に、続きのメールが届かないようにしています。

事前に準備しておくこと

  • 有料プラン(Basic 以上)。無料体験中は自分宛てのテスト送信しかできません
  • Shopify Flow と Shopify Messaging(どちらも無料アプリ)のインストール
  • パソコンの管理画面(Sidekick による Flow の作成はデスクトップのみとされています)
  • メールの受け取り同意を取る仕組み(ニュースレター登録フォームや、チェックアウトの同意チェック)

全体の流れ

全体の流れ:Sidekickと人の分担

手順1:Flow の作成画面から Sidekick に頼む

Flow アプリのワークフロー一覧で、右上の[ワークフローを作成]を押します。「作成したいものを教えてください…」という入力欄が出るので、ここに作りたいステップメールを書きます。

Flowのワークフロー作成画面に表示されるSidekickの入力欄
新規会員(マーケティングメールの受け取りに同意した人)に向けて、3通のステップメール(ウェルカムシリーズ)を作りたいです。目的は商品を知ってもらい、初回購入につなげること(割引なし)です。2通目と3通目は、送る直前に「まだ注文していない」「メール購読を続けている」ことを確認してから送ってください。有効化はせず下書きのまま保存してください。

送信すると右側に Sidekick のパネルが開き、テンプレートやストアのデータ項目を調べながら、1分ほどでワークフローを組み上げてくれました。

Sidekickが作成したワークフローの流れと、有効化前にやることを説明している画面

できたワークフローは次のとおりです。

  1. きっかけ:Customer subscribed to email marketing(メールの受け取りに同意した)
  2. 条件の確認(注文数が0 かつ 購読中)→ 1通目を送る
  3. 2日待つ(Wait)→ 条件を再確認 → 2通目を送る
  4. 3日待つ → 条件を再確認 → 3通目を送る
Sidekickが作ったワークフローの構造

待ち時間と「送る直前の確認」まで依頼どおりに入っていて、ワークフローの骨組みはほぼ手直し不要でした。Sidekick からは「3通分のメールの下書きは作ったが、件名・本文・おすすめ商品は空なので入力してほしい」と案内があります。ここからがメール本文の作業です。

有効化は自分の手で
Sidekick はワークフローを下書きのまま保存し、有効化はしません。Flow の Sidekick 生成でも「有効化は手動」とされています。

手順2:送信ステップにテンプレートを設定する(人の作業)

ワークフローの「Send marketing email」をクリックすると、「このマーケティングアクティビティは編集が必要です。続行するには、メールテンプレートを選択してください」と表示されます。[テンプレートを選択]から Messaging のテンプレート一覧を開き、テンプレート(今回は「空白」)を選んで[選択する]を押します。メールの編集画面が開くので、そのまま「終了」で戻って構いません。3通ぶん繰り返します。

Send marketing emailステップでテンプレートが未選択と表示されている画面

設定できると、ステップに「空白」と[メールを編集]ボタンが表示され、メッセージは「このメールは下書きの状態です。送信を続けるには、メールを編集して保存してください」に変わります。

TIPS:テンプレートが紐づかないときは、送信ステップを作り直す

検証では、テンプレートを選んだのに 「テンプレートが選択されていません」のまま戻ってしまう ステップがありました。また、画面上は「空白」と表示されていても、Sidekick に確認させると「1通目は取得できない古いメール ID のまま」と言われるケースもありました。

テンプレートが紐づかないときの症状と直し方 Sidekickが1通目は古いメールIDのままで編集できないと説明している画面

どちらも、その「Send marketing email」を削除して、同じ位置に手作業で追加し直し、テンプレートを選び直す と解消しました。手順3で Sidekick が「メールを取得できない」「別の下書きは見つかったが対象と確認できない」と答えたら、この作り直しを試してください。

なぜ作り直しが効くのか(推測)
送信ステップは、裏で Messaging のメールを1通作り、その ID を持っています。Sidekick がワークフローごと作ったときのメールが中身を開けない状態になっていて、テンプレートを選んでもステップが古い ID を指したままになる、という見立てです。Shopify の公式な説明は見つかっていません。

手順3:Flow の Sidekick に本文を頼む(短いやり取りを重ねる)

テンプレートを設定したら、Flow の画面で Sidekick を開き、メールの中身を頼みます。すると Sidekick が自分で Messaging アプリのメール編集画面を開き、そこで作業を進めてくれます。Flow から開いたメール編集画面には Sidekick のアイコンが出ないので、依頼は Flow 側の Sidekick から出す のがポイントです。

Sidekickがメール編集画面を開いて入力していく様子(サンプル)

ただし、「件名から本文まで全部入れて」と頼んでも一度には入りません。最初の返答が「編集機能でエラーが出たため反映できませんでした」になることも多くありました。そこで、短い依頼を何往復か重ねます。2通目の実際のやり取りはこうでした。

メール本文を入れるときのSidekickとのやり取り(2通目の実例)

1通目でも、「いま開いているこのメールに件名とプレビューテキストを入れて」と頼むと、件名とプレビューがその場で入りました。1回の依頼で1つの作業くらいの感覚で、返事をしながら進めるとスムーズです。原稿を一から考える必要はなく、こちらは「入れて」「はい」と返すだけなので、おまかせで作れることに変わりはありません。

うまく進めるコツ
・依頼は Flow の Sidekick から出す(Sidekick がメール編集画面を開いてくれる)
・「エラーで反映できませんでした」と言われても、編集画面が開いた状態で「追加して」「入力して」と続ければ進む
・テキスト欄に入れてほしいときは、その欄を選択してから頼むと確実
・Sidekick が「◯◯もしますか?」と聞いてきたら「はい」で任せてよい

写真も入れてもらえる

文面だけでなく、キービジュアルや商品写真も Sidekick に入れてもらえます。「キービジュアルや商品写真を追加して」と頼むと、ストアにある画像(商品画像や、設定 > ファイルにアップロード済みの画像)から合いそうなものを探し、冒頭のメイン画像と本文下の商品写真という構成を提案してくれました。「はい」と返すと、画像欄の追加、写真の設定、各商品ページへのリンクと代替テキストの指定まで進みます。

Sidekickにキービジュアルと商品写真を入れてもらう流れ(サンプル)
キービジュアルや商品写真を追加して

ここでも一度で終わらないことがあり、「画像欄は追加したが写真は未設定」「成功と返したが反映を確認できない」といった返答をはさみながら進みました。最後は Sidekick 自身が「画面上で写真が表示されているか確認してください」と促すので、プレビューで写真とリンク先を目で確かめます。使いたい写真が決まっている場合は、先にストアのファイルへアップロードしておき、ファイル名を伝えて頼むと確実です。

手順4:でき上がりを確認してから有効化する

最後は人の目で確認します。検証で気づいた点は次の3つです。

  • 「完了しました」は画面で確かめる:別の検証では、商品セクションを「指定の3商品に切り替えた」と報告されたのに、ページを再読み込みすると「ベストセラーを自動表示」のままでした。Sidekick 自身が後から「反映を確認できませんでした」と訂正しています
  • 送信先の顧客 ID:Sidekick から「1通目と2通目は送信先の customer_id が空になっている」と指摘がありました。各ステップの「Customer」欄が設定されているかを確認します
  • ボタンのリンク先:ボタンを追加しただけで文言やリンク先が空のまま、という場面がありました。テスト送信でリンクを踏んで確かめます

確認が済んだら、有効化の前に Sidekick に点検を頼むのもおすすめです(次のプロンプトは今回の検証では実行していない、おすすめの使い方です)。

このワークフローを有効化する前の点検をしてください。何も変更せず、次の点を確認して結果を一覧で教えてください。
1) すべての「Send marketing email」にメールが設定され、件名・本文が入っているか
2) 各ステップの送信先(Customer)が設定されているか
3) 待ち時間と、送信前の条件が意図どおりか
4) 同じお客様にウェルカムメールが重複して届く、ほかの有効なオートメーションがないか
5) メール内の商品とボタンのリンク先が正しいか

問題がなければ、各メールを[テストを送信]で自分宛てに確認し、Flow 右上の[ストアに追加]→ 有効化へ進みます。

Sidekick に任せられること・人がやること

作業 担当 今回の結果
ワークフロー(きっかけ・待ち時間・送信前の条件) Sidekick ひと言の依頼でほぼ完成
送信ステップへのテンプレート設定 人 紐づかないときはステップを作り直す
件名・プレビュー・本文・ボタンの原稿と入力 Sidekick 短いやり取りを重ねれば入る
キービジュアル・商品写真の配置 Sidekick ストアの画像から選んで配置。表示は要確認
商品セクション・リンク先・送信先の確認 人 Sidekick の報告と食い違うことがある
テスト送信・有効化 人 有効化は手動の仕組み

ステップメールで一番手間がかかるのは「何通を、いつ、誰に送るか」を決めて Flow に組むところと、各メールの文面づくりです。その両方を Sidekick に任せられるので、人がやるのは設定の確認と仕上げが中心になります。やり取りが何往復か必要な点を知っておけば、十分「おまかせ」で作れると感じました。

あわせて知っておきたい注意点

  • Wait(待機)は1つのワークフローで合計90日まで とされています
  • ウェルカム系のオートメーションを重ねて有効にすると、同じ人に2重に届きます。 Messaging のテンプレート(例:Welcome new subscribers with discount series)をすでに使っている場合は、どちらか一方にします
  • ワークフローをオフにすると、待機中のお客様への続きの配信はキャンセルされます
  • Messaging のメールは毎月 10,000 通まで無料で、ステップメールの送信分もこの枠に数えられます(かご落ちのオートメーションは対象外)
  • メールの受け取り同意の取り方が法令に合っているかは、ストア側の責任とされています。日本では特定電子メール法の考え方もあわせて確認しておくとよいでしょう

コピーして使えるプロンプト集

【 】の部分を自分のストアに合わせて書き換えて使ってください。

① ワークフローを作る(Flow の[ワークフローを作成]の入力欄に)

【新規会員(マーケティングメールの受け取りに同意した人)】に向けて、【3】通のステップメールを作りたいです。目的は【商品を知ってもらい、初回購入につなげること(割引なし)】です。2通目以降は、送る直前に「まだ注文していない」「メール購読を続けている」ことを確認してから送ってください。有効化はせず下書きのまま保存してください。

② メールの内容を作る(テンプレート設定後、Flow の Sidekick に)

このFlowの【1】通目のメールの内容を作成して

原稿が出たら、続けて次のように短く返していきます。

その内容でメール編集して
(反映できなかったと言われたら)追加して
(追加したテキスト欄を選択して)入力して
(「◯◯もしますか?」と聞かれたら)はい

③ 写真を入れる(メール編集中の Sidekick に)

キービジュアルや商品写真を追加して
(使う写真を指定するなら)冒頭に【ファイル名】の画像を入れて、リンク先は【商品ページURL】にして

④ 有効化前の点検(何も変更しない)

このワークフローを有効化する前の点検をしてください。何も変更せず、すべてのメールの件名・本文、送信先(Customer)、待ち時間と条件、重複するオートメーションの有無、商品とリンク先を確認して、結果を一覧で教えてください。

プロンプトのコツ
・作成を頼むときは「有効化しない」「下書きのまま」を必ず書く
・メール本文は1回に1つの作業を頼み、返事をしながら進める
・「完了しました」と言われても、再読み込みして画面で確かめる

参考リンク

※ Sidekick の回答内容や対応範囲は、ストアの状況やアップデートによって変わります。