AIによってShopifyテーマのカスタマイズが格段にやりやすくなり、今後はAIに直接Liquidコードを書かせて、かなり自由にテーマを作り込むケースも増えていくと思います。
実際、Shopify自身も新しい {% block %} や {% partial %} タグをDeveloper Previewで検証しており、JSONテンプレートやschemaを中心とした構成から、再びLiquidファイルを中心にコードを書く方向への揺り戻しも感じます。
一方、ここ数ヶ月の運用の現場で感じているのは、「自由に書けるようになった」ことと「テーマのコア部分まで自由に作り直してよい」ことは、少し分けて考えた方がよさそうだ、ということです。
Shopifyの標準テーマには、単に商品情報を表示するためのLiquidだけではなく、エラー処理や非同期処理など、これまでの運用の中で積み上げられてきた様々な処理が実装されています。
存在を知らずにテーマを作り直せば、それらを意図せず手放してしまい、後から欠けていることに気づいて自分たちで実装・検証することにもなりかねません。
アプリも同様です。
Theme App Extensionやapp blockを使えば簡単に導入できる機能でも、その受け皿となる標準構造を独自実装でなくしてしまえば、アプリが用意している仕組みを使えず、自分たちでコードを書いて組み込む必要が出てきます。
そうなると、アプリを入れれば済んでいたものに実装・検証工数が発生し、アプリ側のアップデートへの追従や動作保証についても考えなければなりません。
これは、せっかくShopifyを使っているのに、「アプリを入れれば機能を追加できる」というエコシステムの強みを、自ら弱めてしまうことにもつながります。
開発を速くして、素早くリリースし、ストアをどんどん改善するためにAIを使っているはずが、自由に作り直しすぎた結果、不必要な保守や、本来不要だった機能の再実装に時間を取られてしまう。
場合によっては、その欠損がエラー表示やカート操作などに現れ、購買体験まで損なう可能性もあります。
だから今のところは、テーマのコアとなる部分はできるだけShopifyの標準機構を活かし、その外側をCSSやJavaScriptなどで拡張していく方が、結果的に安全で速いケースが多いのではないかと考えています。
AIによって「何でも作れる」ようになったからこそ、何を作らずに残すのかも、以前以上に重要になってきた気がします。