Shopify Editions Spring '26 マーケティング(全12項目)

Shopify Editions Spring ’26 マーケティング(全12項目)

CATEGORY 05 / マーケティング

「マーケティング」は、集客と販促をAIで底上げするアップデート集です。広告運用をAIが継続的に学習・最適化する Campaign Autopilot、メール・SMS・WhatsApp を束ねる Shopify Messaging、そして計測・同意まわりの整備が柱になっています。
※本カテゴリは、検証ストアで実機確認できた項目(各項目に「実機確認」と明記)と、公式情報(Editions 発表・changelog・ヘルプ)に基づく項目が混在します。日本では使えない項目(Shop Campaigns・WhatsApp・SMS 等)はその旨を明記しています。

日本で使える6項目(実機確認)を本編に掲載 / 日本対象外の6項目は末尾にまとめて紹介
GROUP 1 / AIマーケティングと配信
AIが広告を回し、メール配信を最適化(2項目)
#01Campaign Autopilot

AIが広告キャンペーンを継続的に学習・最適化し、チャネルをまたいで運用。

+
正式名称:Campaign Autopilot(キャンペーン・オートパイロット)出典 ↗公式ブログ ↗changelog ↗
Campaign Autopilot とは

「マーケティング」カテゴリーの主役にあたる新機能です。公式の説明には Run campaigns across channels with AI-powered marketing that learns, optimizes, and drives performance.(学習・最適化・パフォーマンス向上を実現するAI搭載マーケティングで、チャネルをまたいだキャンペーンを実行する)とありました。位置づけとしては、AIがあなたに代わって複数チャネルにまたがる広告・販促を計画し、運用しつづける「AIマーケティング代理店」のようなもの、と読み取れます。公式ブログを読むと、2026年6月に管理画面の「マーケティング」タブが 「Growth(成長)」タブへと改称され、その中に Autopilot が置かれたようです。

Campaign Autopilot ― 早期アクセス(ウェイトリスト申込)受付中の Growth タブ実機画面(検証ストア)
基本の流れ:予算とガードレールを決めて、あとは任せる

出典を読み込むと、運用は大きく3ステップに見えます。マーチャント側は ①月次予算を決める②ガードレール(Autopilotが動いてよい範囲のルール)を設定する③公開前に各施策を承認する。残りのキャンペーン作成・チャネルへの予算配分・運用中の調整はAutopilotが担う、という分担のようです。公式コピーにも Set guardrails to stay in control, and track results over time.(主導権を保つためのガードレールを設定し、結果を時間をかけて追跡する)とあり、「全自動だが手綱は握れる」設計に見えます。

AIが継続的に行うこと(出典の記載)

公式ブログには、おおむね次のことを自動で行うと書かれています。

  • 複数チャネルにまたがるキャンペーンの作成と管理
  • 予算の配分・再配分(成果に応じてチャネル間で予算を振り直す)
  • メール自動化(かご落ち・閲覧離脱などのシーケンスを提案・構築)
  • 継続的な最適化(「うまくいっていること」を踏まえて時間をかけて調整、とされています)

なお一点、出典で明確にされていたのは 「AIが広告クリエイティブ(画像)を生成するわけではない」という点です。既存の商品画像とカタログを使ってキャンペーンを組む、と書かれていました。入札(bidding)まわりの細かいロジックについては公式に踏み込んだ記載が見当たらず、配信先チャネル側のアルゴリズムに委ねている部分が大きいのだろうと感じます。

運用するチャネルの内訳
公式ブログによると、提供中なのは Meta広告Shop CampaignsShopify Messaging(メール自動化)の3つで、ChatGPT Ads・Microsoft Advertising・Snapchat は「近日対応(coming soon)」とされていました。ここで言う ChatGPT 等は、あくまで広告を出す配信先であって、チャット内で購入が完結する場ではない点に注意が必要です(後述 #02 と同じ整理です)。

提供条件(検証ストアで実機確認):管理画面の「Growth」タブ(旧マーケティングタブ)に早期アクセスの案内パネル(見出し「マーケティングの運用を自動化」+「早期アクセス」バッジ)が表示され、現在はウェイトリスト(早期アクセス申込)を受付中です(=現状は申込まで。運用本体は開放後)。料金は有料Shopifyプランなら機能自体は無料で、支払うのは広告費のみ。ただし運用チャネルの1つ Shop Campaigns は米国・カナダ限定のため、日本のストアで全機能がそのまま使えるかは公式に明記がなく、現時点では要確認です。

ひとこと所感

「予算とルールを決めれば、あとはAIが複数チャネルを回す」という発想は、広告運用に人手を割けない中小ストアにとって魅力的に映ります。一方で、効き目の前提がShop Campaigns など地域限定のチャネルに乗っていることもあり、日本での実用範囲は今後の展開待ちだと感じます。クリエイティブは生成せず既存の商品画像・カタログを使う設計なので、結局は商品データと画像の整備が成果を左右する——今回の Editions 全体に通じる「データ整備が効きどころ」という流れが、ここにも出ていると感じました。

#06スマートなメール配信

送るか保留するかをAIが最適判断し、コンバージョン向上を狙う。

+
正式名称:Smart delivery(Shopify Messaging)changelog ↗Smart delivery(公式・英語版) ↗
この項目の正体:送信先を「賢く間引く」仕組み

Editions の一文は intelligently prioritizes which messages to send and hold back, optimizing for conversion(どのメッセージを送るか・保留する(送らない)かを賢く判断し、コンバージョン最適化を図る)というものでした。これは Shopify Messaging の Smart delivery(スマート配信)という設定で、その正体は「キャンペーン送信の前に、反応しない宛先を自動で送信対象から外す(間引く)」仕組みです。「全員に送る」のではなく「効きそうな相手に絞る」ことで、コンバージョン向上と、配信解除(unsubscribe)・送信コストの抑制を同時に狙う、という設計のようです。

スマートなメール配信 ― 送信前に効かない宛先を間引く Smart delivery の図

実機確認(検証ストア・日本):このスマート配信は、検証ストア(日本)の Shopify Messaging「設定 → 配信」にも表示され、初期状態オンになっていることを確認しました。画面の効果説明は「コンバージョンする可能性が高い購読者にのみ送信することで、登録解除数を推定15%削減し、クリック率を28%向上させて、費用を抑えることができます」。同じ「配信」セクションには「ボットフィルタリング」「リストの健全性」も並びます。SMS(#05)は日本で送れませんが、メール配信の最適化としては日本でも有効です。
※「初期オン・送信リスト1,000件超で作動・メールとSMS両方に適用」の出典は英語版ヘルプ「Turn Smart delivery on or off」↗。日本語版ヘルプには本稿執筆時点で未反映です。

何を基準に「保留(hold back)」するのか

公式の仕様ページによると、Smart delivery は送信前にキャンペーンの宛先リストを自動で絞り込みます。具体的には次のような宛先が除外される、と書かれていました。

  • 最近のマーケティングメールに反応していない(開封等のエンゲージがない)お客様 ── changelog にも if a customer hasn't opened your recent marketing emails, they may be filtered from your next campaign(最近のメールを開いていない人は、次のキャンペーンから外れることがある)とありました。
  • 使われていない(無効な)電話番号の SMS 購読者
  • ボット由来の登録・バウンス(不達)・配信解除済みの宛先は、設定に関わらず常に除外されます。
提供条件:「初期状態でオン」+「1,000件超で作動」

仕様ページの記載で重要だと感じたのが、作動条件です。出典には turned on by default and applies across both email and SMS marketing when you have more than 1,000 subscribers in your send list初期状態でオン。送信リストが 1,000件超のとき、メールと SMS の両方に適用)とありました。逆に 1,000件以下のセグメントへの送信では絞り込みは行われず、リスト全員に送られます(オンのままでも作動しない)。小規模リストでは「間引かずそのまま送る」挙動になる、という点は押さえておきたいところです。

注意:オフにするとリスクが上がる:Smart delivery をオフにすると、エンゲージの絞り込みなしでリスト全員に送られ、出典いわく can increase bounce rates, spam complaints, and costs over time(バウンス率・スパム苦情・コストが時間とともに増えうる)とされています。反応の悪い宛先に送り続けると送信ドメインの評価(配信到達性)が下がり、まともな相手にも届きにくくなる悪循環を招きます。配信の健全性を守る意味では原則オンのまま運用が無難だと感じます。設定箇所は管理画面の アプリ > Messaging > 設定 > 配信(Delivery) とされています。

補足:これは「送信タイミング最適化」ではなく「送信先最適化」:名前から「送る時間帯を最適化してくれる機能」と捉えがちですが、出典を読む限り Smart delivery の主眼は「誰に送るか(送信対象の絞り込み)」にあります。エンゲージの高い相手に絞ることで、結果として1通あたりのコンバージョン効率が上がり、コストと解除が下がる——「送らない判断」も含めて最適化する、という発想です。メール配信性(deliverability)を守る考え方として、Klaviyo 等の他ツールにある「エンゲージメント・セグメント送信」「Smart Sending」と同じ系譜の機能と読めます。

ひとこと所感

配信のプロが手動でやってきた「反応しない宛先を外して送る」運用を、初期状態で自動化したのが本質だと感じます。EC運営でありがちな「リストが増えたから全員に送る → 反応されず、迷惑メール判定が増え、到達率が落ちる」という失敗を、仕組みで防ぐ方向です。1,000件超で自動作動するため、リストが育ったストアほど恩恵が出やすい一方、小規模リストでは作動しない点は理解しておきたいところです。重要度 A としましたが、「送らない勇気」をプラットフォーム側が肩代わりしてくれる意味で、地味ながら効く更新だと見ています(公式情報ベースの整理で、実機検証は未実施です)。

GROUP 2 / 計測・販促・同意
効果測定・割引/バンドル・同意取得を整える(4項目)
#08分析画面でのマーケティングデータ統合

売上とともに費用・ROAS・インプレッション・セッションを確認。

+
正式名称:分析画面でのマーケティングデータ統合(Marketing reports in analytics)出典 ↗ヘルプ ↗
この項目の内容

マーケティングの成果データが分析(アナリティクス)画面に統合され、売上と並べて見られるようになった、という話です。日本語版 Editions には「分析のマーケティングレポートで、売上とともに費用、ROAS、インプレッション、セッションを確認できます」とありました。英語版は View marketing reports in analytics with spend, ROAS, impressions, and sessions alongside sales. です。ここで ROAS(Return on Ad Spend/広告費用対効果)は、Shopify公式では「獲得した収益額 ÷ そのキャンペーンに費やした金額」と定義されています。

分析データ統合 ― 売上と費用・ROAS・インプレッション・セッションを同じ画面で見る図

実機確認(検証ストア・日本)成長(Growth)→ アトリビューションに、チャネル別の表(チャネル・Type・セッション・売上・注文・CVR・AOV・新規/リピート注文)と「Sessions by top 5 channels over time」グラフ、アトリビューションモデルの選択(ラスト非ダイレクトクリック等)が表示されることを確認しました。ただし重要な点として、Cost・ROAS・CPA・CTR の列は枠はあるものの、対応マーケティングアプリ(広告連携)を繋がないと「—」(空欄)のままです(画面に「Cost, click, and impression metrics are now available for supported marketing apps」という案内が出ます)。売上・セッション・注文・CVR・AOV・新規/リピートは標準で集計されます。あわせて、キャンペーン単位の詳細ページ(UTMパラメーター別・デバイス別・ロケーション別の内訳、共有リンク、自動一致ルール)も同じ成長メニューから確認できました。

見られる指標(Editions が挙げる4つ+売上)

Editions が明示する核の指標は 費用(spend)・ROAS・インプレッション(表示回数)・セッション(訪問)の4つで、これらを売上(sales)と並べて確認できる、という構成です。ヘルプを読むとさらに広く、セッション・コンバージョン率・AOV(平均注文額)・総売上・マーケティング経由の売上や注文・費用・ROAS・CPA(顧客獲得単価)・CTR(クリック率)・インプレッションといった指標が並んでいました。

どこで見るか

Editions のコピーは「分析(analytics)の中で」と表現していますが、ヘルプ本文は From the Growth section in your Shopify admin(管理画面のGrowthセクションから)と書いていました。マーケティングタブが「Growth」へ改称された流れ(#01参照)と整合します。分析ダッシュボード/Growthセクション配下のマーケティングレポートに集約される、と捉えておくのが無難だと感じます(正確なクリック経路は公式に断定的な記載が見当たりませんでした)。

統合されるチャネルと、ROASの自動算出
  • 対象は Shopify製キャンペーン(Shop Campaigns 含む)・Google(Performance Max含む)・Meta/Facebook、およびShopify に接続した外部マーケティングアプリとされています。
  • ROAS は「収益 ÷ 広告費」で自動算出され、アトリビューション(成果の帰属)モデルはラストクリック等から選べるようです。
  • ただし注記として、Facebook や Google のキャンペーンでは費用・ROAS・CPA・CTR などが表示されない場合があるとも書かれていました。全チャネルで全指標がそろうわけではない点は押さえておきたいところです。

注意:このマーケティング成果データを見るには、スタッフに Home・Reports・Marketing の各権限が必要とされています。また、チャネルによっては費用やROASなど一部の指標が出ないことがあります。対象プランや地域の細かな条件は公式に明示が見当たりませんでした。

ひとこと所感

これまでは「広告管理画面で費用を見て、Shopify側で売上を見て、ROASは自分で計算」という分断がありがちでした。費用・ROAS・インプレッション・セッションを売上と同じ画面で並べられるのは、効果検証の手間を大きく減らしてくれると感じます。Shop Campaigns 自体は北米限定ですが、Google・Meta・接続済みアプリのデータも統合されるなら、日本のストアでも恩恵を受けられる可能性があります。一方で「チャネルによっては一部指標が出ない」という穴もあるので、分析画面の数値を鵜呑みにせず、広告側の管理画面と突き合わせる運用は当面残りそうだと感じました。

#09キャンペーンに紐付くディスカウントリンク

割引をキャンペーンに紐付け、流入・転換を正確に追跡。

+
正式名称:Track discounts with marketing campaigns(キャンペーンに紐付けられたディスカウントリンク)changelog ↗出典 ↗
この項目の正体

ディスカウント(割引)コードを配布するときに作る共有リンクを、マーケティングキャンペーンと結びつけられるようになった、という改善のようです。これまでは「割引リンクをSNSやメールで配ったが、どの施策経由でどれだけ売れたのかが追いづらい」という課題がありました。出典(changelog)には、共有リンク生成時に既存のマーケティングキャンペーンを選ぶと、UTM識別子とソース(参照元)が自動でリンクに付与されると書かれています。手作業でトラッキング用パラメータを付けていた工程を、Shopifyが肩代わりしてくれる形のようです。

割引リンクをキャンペーンに紐付け ― 成果の帰属が明確になる3ステップ図

実機確認(検証ストア・日本):割引コードの「Promote → 共有可能なディスカウントコードを取得」で、キャンペーンを選ぶと共有リンクに utm_campaign などが自動付与され、QRコードも発行されることを確認しました(メール・SNS・印刷用に配布可能)。地域制限はなく、日本のストアでそのまま使えます。計測結果は #08 のアトリビューション/キャンペーン詳細ページで、流入・転換をキャンペーン単位で確認できます。

まず前提:UTMパラメータとは

UTM(Urchin Tracking Module/URLに付ける流入元を識別するためのタグ)は、リンクの末尾に ?utm_source=...&utm_campaign=... のような印を足して、「このアクセスはどの媒体・どのキャンペーン経由か」を分析ツール側で見分けられるようにする仕組みです。本来は1本ずつ手で付けるか、別ツールで生成する必要がありました。今回は割引リンクを作る画面の中でキャンペーンを選ぶだけで、この印が自動で入るようになった、と理解しています。

設定場所(出典の記載)

出典には、保存済みの割引コードのページで Promote > Get a shareable link(プロモート > 共有リンクを取得)から利用できると書かれています。つまり割引コードを作ったあと、その共有リンクを発行する流れの中でキャンペーンを選ぶ、という導線のようです。

何が嬉しいか
  • トラフィック(流入)とコンバージョン(成約)の両方を、キャンペーン単位で正しく追える、とされています。
  • 付与漏れ・付与ミスが減る。手作業でUTMを書くと、表記ゆれ(campaign名の打ち間違い等)でレポートが分断されがちですが、選択式なら名前が揃うのが効きどころだと感じます。
  • マーケティングレポート上で、その割引プロモーションの成果を他の施策と並べて見やすくなる、という説明でした。

注意:出典(changelog)には対象プランの明記がなく、「Admin の改善(Improvement)」として案内されているのみでした。前提としてあらかじめ『マーケティングキャンペーン』をShopify側に作成しておく必要がありそうです(共有リンク生成時に「既存のキャンペーンを選ぶ」方式のため)。キャンペーンを1つも作っていないと選択肢が出ない可能性があり、ここは実際の画面で確認したほうがよいと感じます。なお当方では現時点(2026-06)で実機確認はしておらず、記載は公式情報ベースです。

ひとこと所感

地味ですが、「割引を配ったが効果測定できていない」という取りこぼしを塞ぐ実務的な改善だと感じます。クーポンは配って終わりにしがちで、どのチャネルから成約したかが曖昧なまま次の予算配分を決める、ということが起きやすいところです。UTMの自動付与で名前が揃えば、レポートが分断されず「どの施策の割引が一番効いたか」を素直に比較できるようになります。すでにキャンペーン機能を使っているストアなら、追加コストなしで精度を上げられる類の更新だと見ています。

#10Google ショッピングと Meta での固定バンドル

事前設定したバンドルを Google 検索・YouTube・Facebook・Instagram で公開。

+
正式名称:Fixed bundles on Google Shopping and Meta(固定バンドルの外部チャネル公開)changelog ↗仕様 ↗出典 ↗
まず前提:固定バンドル(fixed bundle)とは

バンドルは「複数の商品をひとまとめにして売る」販売形態です。Shopifyのバンドルには大きく2種類あり、固定バンドル(fixed bundle)=中身があらかじめ決まっている組み合わせ(例:Aシャンプー+Bトリートメントのセット)と、ミックスマッチ(mix-and-match)=お客様が中から好きに選ぶ方式があります。今回の項目は、このうち固定バンドルを外部チャネルに公開できるようになった話のようです。

固定バンドルを Google・Meta などの広告・ショッピング面に公開する図

実機確認(検証ストア・日本)固定バンドル(複数商品をまとめたセット)商品の「公開を管理する」で、販売チャネルに Google & YouTube・Facebook & Instagram をオンにできることを確認しました(実機でオン)。これにより固定バンドルを Google検索・ショッピング・YouTube・Facebook・Instagram に「セット商品」として出せます。各チャネルアプリの連携・審査が前提で、TikTok・Pinterest・X・Rakuten Ichiba 等は未連携だとオフ(⚠)でした。地域制限はなく日本のストアで使えます

何ができるか(出典の記載)

公式 Editions のマーケティング項目には、事前設定したバンドルを Google検索・広告、YouTube、Facebook、Instagram に公開できる、と書かれています。これまでバンドルは特殊な商品タイプ(bundleComponents を持つ商品)の扱いで、Google ShoppingやMetaなど外部チャネルに出せない、というのが従来のつまずきどころでした。そこが解消され、セット商品のまま広告・ショッピング面に載せられるようになった、と読み取れます。

設定方法(出典の記載)

changelog(Google対応分)には、バンドル商品の商品詳細ページを開き、Publishing(公開)セクションで対象チャネルを有効化するだけで、オンラインストアやPOSと同じ要領で公開できる、と書かれています。追加の特別な設定は不要で、価格・画像・在庫の更新は自動で同期されるとのことです。Meta(Facebook/Instagram)側も、考え方としては同様にPublishingセクションで該当チャネルを有効化する形になると見られます。

補足:changelog はまず「Google対応」から
調べた範囲では、changelog の単独記事として明確に出ているのは 「Sell fixed bundles on Google」(2026-02-10) で、ここでは公開先が Google検索・Shopping広告・YouTube と記載されています。一方で公式 Editions(Spring ’26)のマーケティング項目には、これに Facebook・Instagram(Meta) を加えた形で書かれていました。つまり「Googleで先行 → Metaへ拡張」という時系列のようで、項目名が「GoogleショッピングとMeta」となっているのはこの統合後の状態を指していると理解しています。

注意:対象は固定バンドルのようで、お客様が中身を選ぶミックスマッチ型は外部チャネル公開の対象外と見ておくのが無難です(changelog は固定バンドルを前提に記述されています)。また公開にはGoogle & YouTube アプリ/Facebook & Instagram(Meta)チャネルがそれぞれストアに導入・連携済みである必要があります。チャネルごとの審査基準(商品データの要件)に通ること、という前提もある点は押さえておきたいところです。当方では現時点(2026-06)で実機確認はしておらず、記載は公式情報ベースです。

ひとこと所感

バンドルは客単価(1注文あたりの購入額)を上げる定番の打ち手ですが、これまで「店内では組めるのに広告・Shopping面には出せない」という壁がありました。そこが取れて、セット訴求のまま集客チャネルに載せられるのは素直に大きいと感じます。とくにGoogle ShoppingやMeta広告で「単品より魅力的なセット価格」を見せられると、初回購入のハードルを下げつつ単価も確保しやすくなります。バンドルを軸にした商品設計をしているストアほど効きそうな更新だと見ています。

#11サインイン時のメールマーケティング同意

ログインページでメール配信のオプトイン(同意)を獲得。

+
正式名称:Collect marketing consent on the customer sign-in page(サインイン時のメールマーケティング同意取得)changelog ↗Shopサインイン ↗出典 ↗
この項目の正体

お客様がログイン(サインイン)するページで、メールマーケティングへのオプトイン(同意・購読の意思表示)を取れるようになった、という改善のようです。これまで同意を取る主な場所はチェックアウト(購入手続き)画面でした。今回それがサインインの場面にも広がった、というのが要点だと理解しています。出典には、すでにチェックアウトで同意取得を有効にしている場合、同じチェックボックスがサインイン時にも表示されると書かれています。

サインイン時にメールマーケティング同意を取得する図

実機確認(検証ストア・日本):設定 → チェックアウトの「マーケティングオプトイン」で、メールの表示先を 「チェックアウトとサインイン」に設定でき、実際にフロントのログイン画面に「お得な情報をメールで受け取る」チェックボックスが表示されることを確認しました。これにより購入に至らない見込み客も、ログイン段階で同意済み顧客にできます。「特定の地域でチェックボックスを事前選択」(自動判定)にも対応し、SMS の同意も同様に設定できます。日本のストアで使えます。

まず前提:オプトインとは

オプトイン(opt-in)は、お客様が「メールを受け取ってよい」と自ら同意して購読リストに入ることを指します。逆に勝手に登録して後から外す方式はオプトアウトと呼ばれます。メール配信は同意のあるアドレスにだけ送るのが原則で、同意済みリストをどう増やすかが配信施策の土台になります。今回の更新は、その同意を購入よりも前のサインイン段階で取れるようにした、という位置づけです。

設定場所(出典の記載)

出典には、管理画面の Checkout settings(チェックアウト設定)内の「Marketing opt-in(マーケティングのオプトイン)」で有効化・調整する、と書かれています。重要なのはチェックアウトとサインインで同じ設定を共有している点で、チェックボックスの初期状態(事前選択するか/地域ごとの扱い)も既存のチェックアウト設定がそのまま使われる、とされています。つまり新しく別の設定を作るのではなく、既存のチェックアウト同意設定がサインイン側にも効く形のようです。

お客様アカウント/Shopサインインとの関連

この機能は、新しいお客様アカウント(customer accounts)のサインイン体験の一部として案内されています。お客様がログインするタイミングでオプトインのチェックを入れれば、サインイン完了とともに購読リストに追加される流れのようです。さらに出典には、お客様は後から自分のアカウントのプロフィールページでマーケティング設定をいつでも変更できるとも書かれており、同意の管理権がお客様側に残る設計になっていると読み取れます。Shopサインイン(お客様アカウント刷新)と地続きの更新だと感じます。

注意:このチェックボックスが出るかどうかは既存のチェックアウト同意設定(Marketing opt-in)に連動します。チェックアウト側で同意取得を有効にしていない場合、サインイン側にも出ない可能性が高い、という理解です。また新しいお客様アカウント方式が前提になると見られる点(Editions全体で繰り返し出てくる「Shopサインイン重視」の流れ)も押さえておきたいところです。チェックの初期状態や地域別の扱いは、各地のマーケティング規制に関わるため、自店の設定を改めて確認することをおすすめします。当方では現時点(2026-06)で実機確認はしておらず、記載は公式情報ベースです。

ひとこと所感

同意取得の場所が「購入時」から「ログイン時」へ前倒しになったのが本質だと感じます。購入まで至らなかった見込み客でも、ログインさえしてくれれば質の高い(本人が同意した)購読者として獲得できる余地が生まれます。メール施策は結局「同意済みリストの母数」で天井が決まるので、接点を増やせるのは効きどころです。しかもチェックアウトの設定を流用するだけで、別途作り込みが要らないのは導入の手間が小さくて良いと感じました。Shopサインイン導線を整えるほど効く、という今回のEditions共通のテーマがここにも出ています。

日本では使えないため、簡単な紹介にとどめる機能

マーケティングカテゴリーには上記のほかにも更新がありますが、以下は Shop Campaigns(米国・カナダ限定)WhatsApp/SMS マーケティング(日本では未提供・送信不可)に関わり、日本のストアでは利用できないため深掘りは見送ります。各機能の概要(公式ドキュメントに基づく概念図と簡単な解説)と出典の掲載にとどめます。

より多くのチャネルでの Shop Campaigns 展開 米国・カナダ限定/日本対象外

成果報酬型広告 Shop Campaigns の配信先に ChatGPT・Pinterest・Microsoft Monetize などが加わり、1つのキャンペーンを複数チャネルへ配信できるようになりました。ただし配信対象は米国・カナダの顧客に限られ、日本のストア・顧客では利用できません

より多くのチャネルでの Shop Campaigns 展開(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
Shop Campaigns の設定と入札をシンプルに 米国・カナダ限定/日本対象外

1つのキャンペーン内で新規・離反などセグメント別に最大CAC(顧客獲得単価の上限)を設定できる簡素化(segment overrides)。Shop Campaigns 自体が米国・カナダ限定のため日本では使えません。

Shop Campaigns の設定と入札をシンプルに(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
Shop Campaigns の広告請求を一元管理 米国・カナダ限定/日本対象外

広告費が Shopify Payments の入金天引きから、Shopify の請求書への計上に統一されました。これも Shop Campaigns(米国・カナダ限定)の機能のため日本では対象外です。

Shop Campaigns の広告請求を一元管理(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
WhatsApp マーケティングチャネル 日本対象外(近日公開・低普及)

Shopify Messaging に3つ目のチャネルとして WhatsApp が加わります。ただし送信機能は「近日公開」段階で全世界ロールアウト前。WhatsApp は日本では普及率が低く、提供時期・可否も不透明です。

WhatsApp マーケティングチャネル(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
SMS とマーケティングオートメーション 日本対象外(SMS送信不可)

Shopify Messaging の自動配信に SMS も組み込めるようになりました。ただし SMS マーケの送信先対応国は12カ国で日本を含まず、日本の顧客には送れません(メールの自動配信自体は日本でも可)。

SMS とマーケティングオートメーション(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
WhatsApp の同意管理 日本対象外

顧客プロフィールでメール・SMS と並べて WhatsApp のマーケティング同意を管理。同意 API は 2026-07 で登場したばかりで、配信本体の WhatsApp が日本で未提供のため実用性は低い段階です。

WhatsApp の同意管理(概念図)
▲ 概念図(公式ドキュメントに基づくイメージ)
出典 ↗
SUMMARY / まとめ
マーケティングは「AIが回し、1か所で測る」方向へ

12項目を通して見えるのは、①広告運用をAIに任せる(Campaign Autopilot)②メッセージ接客を1つの基盤に束ねる(Shopify Messaging)③効果を1か所で測り、同意を整えるという流れです。手作業のチャネル横断運用から、AIによる継続最適化と一元管理へ移っていく方向性が読み取れます。

個人的な見解
注目は Campaign Autopilot。広告の学習・最適化をAIが継続的に担う方向は、運用工数の削減に効きそうです。ただし WhatsApp は日本では普及率が高くないなど、チャネルごとに自店の顧客が実際に使っているかは見極めが必要だと感じます。また、本カテゴリの多くは提供条件(地域・対応チャネル・「まもなく」等)が付くため、「今すぐ・自店で使えるか」を一つずつ確認するのが安全です。

← Shopify Editions Spring ’26 全まとめ SHOPIFY SPRING ’26 — EVERYWHERE EDITION ↗
※ 本記事は公式情報(Editions 発表・changelog・ヘルプ)に基づく解説です。各項目の提供条件(地域・プラン・対応チャネル・「まもなく」等)は変動します。最新の対応状況は各出典をご確認ください。
Back to blog